声の主は、
「藤平君」
「僕も今終わったとこなんです。下までいいですか?」
尋ねてくる彼に、断る理由もなく、OKした。
よかった、なんて笑った顔は、やっぱり爽やかで、裏なんてなさそうなのに……
てことを思ってしまう。
「えっ!?藤平君ってあたしより年上なの!?」
下へ向かうエレベーターの中、驚きのことを聞いて、すっとんきょな声を出してしまった。
「えぇ、まぁ」
そう言ってはにかむ隆起君を見ても、年上には見えない。
「年下かと思った……」
「よく言われます。……だから、女性にもあまり相手にされないんですよね」
………ん??


