あたしの位置から“それ”を見ることはできず、机へと向かった。
「どれ?」
「これこれ」
机のすぐそばに来たが、なにもない。
そう言おうとした瞬間、グイッと腕を引っ張られた。
………っ!!?
気が付けばあたしは秋さんの腕の中にいた。
急なことで頭がついていけない。
「捕まえた」
その言葉でやっと理解できた。
あたし抱きしめられてる……!?
「ちょっ……ちょっと秋さん!!ここ会社ですっ!」
「誰も見てないって」
腕の中で抵抗するが、抱きしめる力は強くなるばかり。
てか大丈夫って……前見られたじゃん!!


