「あっつ……」 七月に入ったこの季節、ムワッといやな空気があたしの体全体を包む。 なんなのこの纏わり付くような嫌な湿気。 雨降るなら降るでさっさと降らしなさいよ! どんよりと重くて濁った空に睨みつけるあたしって、大分痛い。 あたしが空に文句をぶつけるように、空は今にも雨粒を落とすような勢い。 こういう中途半端なのが一番嫌い。 てか苦手。 あたしは早足に会社へ向かった。