「ただいま」 静かな家中に響き渡る自分の声。 どうせ誰も居ないと分かっていても、つい言ってしまう私の癖。 リオは自分の部屋に入り、ベッドに駆け込む。 唇にはまだ悠平のキスの熱を帯びていた。 「…うーっ…」 急に恥ずかしくなり枕に顔を埋めこむ。 「あ…仕事、頑張れって言えなかった…」 リオはハッと思い出したかと思うと、すぐに深いため息をついた。