「リオ、悠平クンと帰りなよー」
撮影が終わると控え室で妃が、鞄に道具を詰め込みながら言った。
「え、何で?」
「皆が公認してる仲なんだから人に見られても大丈夫じゃん」
と、妃がピースを作った。
いやいや…そういう事を聞いてるんじゃないんだけど。
「私から悠平クンに言ってあるから後は帰るだけだよ。ファイト!」
「…いやー…ファイトの意味がよく分からないというか」
とブツブツ呟くリオを、控え室からグイグイと妃が追い出した。
「リオ!」
悠平が向かいの通路から笑顔で手を振っていた。
「あ…」
リオはその姿を見つけ、小さく笑って手を振った。
