「なにしてるんだよ?!…?!」
葵の服の下からは、防弾チョッキが姿を現した。
「…これが、うちの武器。
正直、武器じゃないんだよね。」
笑いながら、葵が言う。
どうやら、武器でないものが紛れているらしい。
「そうなのか…。
それで、オレになんで見せたんだ?」
洋一がごもっともな意見を述べた。
「うちと手を組んでほしい…。」
「…?!」
「うち、頭も良くないし。
武器もない。勝てる自信が無いんだ。」
「それで…オレに手伝えと?」
「…コクッ。」
静かに、首を縦におろす。
洋一の頭で色々な思考が、コンピューターのようにめぐる。
使えない人間と組んだところで、何も役に立たない。
しかも、この数時間で出会った奴を信じろと?
「って言っても…
うちの事、信じられないよね?」
「それはそうだ。」
冷たく言い放ち続ける。
「お前と組んだところでオレには…
なにも有利になることが無い。」
「…うちは、クリアーした時の賞金はあなたの半分でいい。
これで、あなたには得ができたよね?」
「まぁな。ただ信じられないし、有利にもならない…。」
正直、ごめんだ。
二人でやっていくのは、予想以上に大変だ。
すると、葵は更に驚く行動に出た。