コッ…コッ…コッ…

一定のリズムをとった音が廊下に響き渡る。

「ふぅ…」

洋一の革靴が響き渡る音だった。
正直、廊下は暗い。
長く続く廊下は、ホールへと向かっている。
あまり複雑な道にはなっていない。
分かれ道もさほどない。

洋一の部屋からは、一分ほどでホールへと着いた。

ただ、あちこちの道をメモっていたため実際には15分ほどかかったのだが…。

「さすがに、誰にも会わなかったな…」

ホールには一人の姿があった。

思わず、あっと声を漏らした洋一はその人物に見つかった。