「はぁい。」
洋一は、情けない声で返事をした。
「管理室からの、使いのパシリアでございます。
頼まれたものを、届けにまいりました。」
「あぁ。」
ドアの覗き穴から覗き、黒服、サングラスの男を確認してからドアを開けた。
「こちらの方でよろしいですね?」
「ありがとう。
随分と早かったね。」
紙袋に入っているモノを確認して声を返した。
「はい。すぐに用意させていただきましたから。
あなたの場合は、サイズ探すのに苦労しませんから。」
よくしゃべる奴だな…こいつなら…
「食材とかも、持ってきてくれるんですか?」
「はい。一応連絡をいただくか、三日に一度は届けさせていただきます。」
「そっか。
そういえば、配るときとかは時間決まってるの?
誰かにとられたりしたらたまらないし。」
「いえ、決まっていませんが私めが各部屋に直接お届けいたしますので。」
「一人で?」
「はい。
あっ、佐藤様。
どんなに、逃げようとしても無理ですよ?
この施設にはいくつものカメラなどの監視システムがございますので、部屋だけは監視しておりませんがね。
完全に鉄で固められた部屋なので逃げはできませんがね…それでは…」
パシリアは、ドアを閉め去っていった。
見破られていた。
彼らが、何かを運ぶときならつけていけばと…思ったが甘かったらしい。
まぁ、誰でも思いつく手だ。
仕方がないな。


