偶像童話

「ねぇ、覚えてる?」



「何かな」



「私たちが出会った瞬間の事。


私はよく眠っていたからわからないのよ」



「もちろん覚えているよ。


君は、たくさんの人たちに囲まれて、たくさんの光を浴びて眠っていたね」



「出会ってから交わるまで、たった数時間しか経っていなかったわね。


だけど、私にはわかったの。


私はあなたをずっと探していた。


あなたほど私の体に合う人は、世界中探してもみつからないわ。


あなたが私の中に入ってきた時も私は眠っていたから本当はわからないはずなのに、私にはちゃんとわかった。


あなたと私が1つになったという事が。


元々1人の人間だったんじゃないかと思うほどなんの違和感もなかったの」