じんじん。

「…つきあっちゃえばいいのに」




ボソッと独り言のようにつぶやいた麻美の言葉。



一時間目の始まりを知らせるチャイムよりも大きく聞こえた。



「…誰と?」




「決まってるじゃん。
莉愛も本当は気づいてるでしょ…」




「英司の気持ち」




一瞬、麻美がためらったその名前を、悠がはっきりと声に出して言った。