じんじん。

「麻美!」


あたし達がカバンから弁当箱を出していると、
廊下の方から男子の声がした。



「は~い?」


麻美が返事をしながら振り向くと…


「悠!!」


後ろのドアに悠の姿が。


「来てくれたの!」


パァッと麻美の顔に笑顔が広がった。


「飯、行かへん?」


悠がいつもの関西弁で言った。中学の頃より声が少し低くなっている気がする。


「麻美、今日は悠と食べなよ」


「えっ、でも」


「あたしは中庭行くから!ほら!行きなよ!」


「…ありがとー!明日は一緒に食べようね!」