じんじん。

「莉愛ってホント一途だよね。陣くんのこと諦められるなんて思ってなかったけど」



麻美は少し声を落として続けた。


「もう会ったの?陣くんと」


「会ってないよ…別に好きじゃないし…」


「何言ってんのよ、会いにいけばいいじゃん。隣の校舎でしょ?」



麻美の言葉に、教室の窓の向こうに見える校舎が目に映った。


あの校舎のどこかに陣ちゃんがいるんだ…


この一年、学校帰りに何度か見かけたことがあったけど、
実際に喋ったのは数回しかない。