正直なところ、この期に及んでまだ陣ちゃんのことをあきらめきれていない自分がいる。



でも自分の中だけで抑えようと、もう感情を持たないように気をつけていた。




卒業式の最中も、
あたしは泣かなかった。



何も感じないように努力した。



いつも学ランの前を開けて、
中からTシャツをのぞかせてる陣ちゃんが、



今日だけはピシッとボタンをしめてる姿とか、



名前を呼ばれて返事をした時の声とか…