―…あたしは、嫌だった。

すごくすごく、嫌だった。

浬に、子供扱いされたの―…嫌だったよ。

だから怒って浬から逃げてきちゃった。(やっぱり可愛いくないあたし…)

さっきまであんなにドキドキしていた胸が、今度は何故だかズキズキと痛み出す。



―あたしを、もっとちゃんと見て欲しいよ…。

あたしばっかりこんなにドキドキして、意識してるなんて…

やっぱり嫌だし、欲が出た。


浬もあたしを意識して欲しい。

浬もあたしに夢中になって欲しい―・・・。

あたしを一人の女のことして、扱って欲しいって思った。


そう思っちゃうあたしは、もう欲張りなのかもしれない。



「…みうみう、遅い!

飲み物買うのに、一体どんだけ掛かってんの?!

また何かあったんじゃないかって心配したんだからッ!」


教室に戻ったら、早速あたしは綾に叱られた。


「あはは…ゴメン。

何かどれにしようか迷っちゃって」


あたしはまた、笑って(笑えてるか分からないけど…)ごまかした。







.