どっちつかずのキミ。










*浬Side.




――ったく。実羽の奴…どこ行ったんだ。

もう授業始まってるっていうのに―。


俺が昼休み実羽と少し言葉を交わして教室を出てから、教室に戻って来てみれば実羽はいなかった。

5時間目の授業が始まっても、実羽は一向に戻って来なくて欠課ということになっていた。


吉井も実羽のことが気になるのか、チラチラと実羽の席を見て、俺の方を見てくる。

…こりゃ何かあったな。

親友の吉井が実羽のことを気にしている様子なのは一目瞭然だし。

あの吉井が柄にもなくかなりソワソワしている。

俺は吉井に、
「実羽はどうした?」と目で訴えた。

「知らない。…さっき忘れ物取りに行って、教室帰って来てみればいなかった」

「何で実羽一人にしたんだよ?また何かあったらどうする」

「何よ!元はといえばあんたのせいなんだから!あんたのファンくらい、自分で教育しなさいよ」

やっぱり俺のファンの仕業なんだな…。

(しかし何で俺らアイコンタクト通じてんだ…?)


そうしてまた吉井と一通り目で会話をすると、お互い実羽に何かあったという結論に行き当たった。









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