浬のファン、もとい取り巻き達の後を付いて行き、着いた場所は人気のない裏庭だった。

「…単刀直入に言うわ。

あんた浬くんとどういう関係な訳?てか、浬くんの何な訳?

随分仲良さそうだけど…

まさか付き合ってたり、はしないわよね?」

まず谷口さんがそう切り出してきた。

取り巻き達はあたしを逃げないようにするかのように用具倉庫を背にして取り囲む。

皆の目があたしを真っ直ぐ捕らえ、ジーッと見つめているのが分かった。


―あたしは浬の・・・


分からない。何も答えられない。


あたしだって、自分でも
浬が自分の何なのか分からないっていうのに…。

何とも言えないのが悔しい。



「何よ、何も言えない訳?

そっかぁ、どうせそんなことだろうと思った。

浬くんにとってもあんたはそういう対象でも何でもないんでしょう。

ただあんたで遊んでるだけよきっと!

もう目障りだからさ、浬くんの前から消えてくんない?」

谷口さんがキツイ口調でそう言ってあたしをジロリと見返した。


――あたしは浬に遊ばれてるだけ…。

確かにそうかもしれない。

浬にはいつもからかわれて、散々面白がられて遊ばれてるもん…あたし。


だけど、あたしが消える…?

浬の前から…?

そんなの―…あたしは―・・・・。


「嫌…。」







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