*浬Side.
「―ぃってて。実羽のやつ…
死んじゃえっ…て何だよ・・・」
いくら何でもあれは言い過ぎだろう。
俺は実羽が教室を出て行った後、一人床に胡座をかいて大きな溜め息をついた。
確かに、いきなりキスした俺も俺だが、まさかあそこまで言われるなんて思わなかった。
…俺は、あんなに急いで何がしたかったんだろうな―。
自分が思っていたこととまるで上手く行かなかったことにも、腹が立って仕方なかった。
いつも実羽をからかって面白がっている俺なのに、こういう時には全然駄目でいつも失敗してしまう。
…ぁあ、情けね―。
俺がガックリとうなだれていると、
いきなりガラッと教室のドアが開いた。
…実羽?まさかな。
俺はちらっと振り向いた。
案の定、そこにいたのは実羽でも何でもなく、クラスメートの吉井だった。
「―あれ、浬クン一人?みうみうは…??」
吉井が床に胡座をかいている俺を不思議そうに見て、それからキョロキョロと教室の中を見渡した。
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