「サラ…、だい…」


サエラが言いかけて口を閉じる。


「サエラ、黙って見てな」


そこには、ただ黙ってサラと魔王のやり取りを見守るアテナと、アテナに支えられたジゼル様がいた。


「お姉ちゃん、何したの?」


サエラが怒りに満ちた声を出す。


「私達を助けて下さったのよ」


アテナが口を開く前に、ジゼル様が答えた。

「さぁ、あなた達も、サラの決闘を見守って?」


ジゼル様の温かい声に、俺達は従うしかなかった。