「アテナさんは?アテナさんはどうするの?」


どこまでも優しい声が、私に問いかける。


「私?私は魔王様に仕える身だから…」


「そんなのダメ。それに、私やりたいことがあるの」


私は彼女の言葉に目を見開いた。


「やりたいこと?」


「ハイ。魔界には、本当の両親が封印されてるんです」


そういうことか。彼女は身の危険を冒して、封印を解きに来たのだ。


「分かった。私にも協力させて?」


「いいんですか?」


本当は良くない。
今この子を陥れることだって出来る。

でも…、




私は彼女の力になりたかった。