「結菜、そういえば学校慣れたか?」

今まで“結菜ちゃん”だった、呼び方が急に“結菜”になったことに、彼女は苦笑した。


「まあね。でも、初めて行った日は驚いたわ」


「…?」


「だって、栞はなんとなく、天使かなぁ?って思うくらいで、でも私逃げ切れた。と思ってたら、匡が来るんだもん。一発で高貴な人だとは分かったけど、まさか婚約者だったとはね…」


彼女の呼び方も、今までの“あんた”から急に“匡”になって、彼が苦笑したことは言うまでもない。