“お嬢様はカリノア家の娘ではありません”

何言ってるの…?私はサラ・カリノアでしょ?


ショックを受けた私に、ラスクの言葉はさらに追い討ちをかけた。

“リオ・フィナンシエ様。言うまでもなく、お嬢様の婚約者です”


あぁ、リオ様までもが、知っていたのか。



あまりにもショックが大きくて、泣き崩れた。


“サラ様!”


サエラに支えられて、私は何とか気を保った。


「サラ様…。大丈夫ですか?」


「ゴメンなさいね。栞、ううん、サエラ、今まで通り、サラって呼んで。まったく、信じられないの」