「お世辞はいらない」

「あっそ。別にお世辞じゃないし」


そう言って黙ると、私に続きを話すように促した。


「本当にいいのね?
両親は…、





来年にでも、私を結婚させようとしてる。
権力を得るために。

でも…、





知らない人となんて、


私結婚したくない。



高価なドレスも、宝石もいらない。


ただ…、





友達と話したり、恋したり、そういう世界が欲しかっただけなの」

不覚にも、


私は泣き崩れてしまった。


「なら、無理に帰るな。ただし、





俺の近くにいろ」