ふーん。……でも私、


結婚する気とか、


全く無いし。


「サラ、出かけるわよ」


下で母親が呼んでいる。



アリスが「さぁ」と言って、持っていた淡い水色のドレスを着せた。



今日しかない。

私は



直感的にそう思った。


2週間後、18の誕生日を迎えれば、確実に結婚させられてしまう。


この日私は、母について出かける振りをして――

人間界への入口に立っていた。


「サラ、
どこにいるの?」


屋敷中で私を捜す声がする。


「サラ様、なりません。
そこを越えたら…!!」


アリスが叫ぶ


が、私は



気にせず飛び降りた。