――あれから1週間、人間界でも、外堀は冷めた。私達が人間じゃないことは、もう気にならないらしい。



私は今、教会の屋根の上にいる。





――あぁ、神様。



…否、お父様、お母様。



どうか、この世界に神のご加護を…。




罪無き人の命を奪わないで下さい。




この世界から、




憎しみを、疑いを取り除いて下さい。



お願いします――



私は、毎晩病院を訪れた。


もし、私に人を幸せにする力が有るのなら、人間界に来たばかりの時に会った、少女の母親を助けたかった。