「サラ・カリノア、私が憎いか?」


「当たり前でしょ!」

サラは既に理性を失っている。


「では、何故魔界が存在するか知っているか?」


「…」


「神の心の闇が独立して出来たのだよ。お前は今、私を“憎い”と言っただろ?その気持ちこそが魔界の根源なのだ」


俺達は絶句した。

ジゼル様も、ウェーファー様もうつむいている。


そして魔王はさらに続けた。


「どんな人間にも、どんな天使でも、心に闇はある。
しかし…、






お前からはまったく感じられなかった」