「マーサー! ごめーんねー!!」 先ほど通り過ぎた人影から返っ てきたのは、メイド マーサへ の詫びの言葉。 その言葉を耳にしたマーサは 嬉しそうに微笑み、口を開いた。 「私は大丈夫で御座います。 それよりお怪我などなされませ んでしたか?」 「うん、大丈夫だよ!」 そんなマーサの問いに短く答え ると、人影は規則正しいハイテ ンポな足音をたてながら、 長い廊下の奥へと消えていった。