「怒った顔も良いねぇ…。」 横山の吐息があたしの耳に掛かる。 助手席側まで身を乗り出している横山の体をあたしは避ける様に、窓側に体を寄せた。 「避けんなよ…。」 そう言ってあたしの腕をグイっと掴んだ。 握られている腕がジンジンして、平常心ではいられない。 しかも、こんな狭い空間でこんなに近距離…。 そしてあたしの髪を優しく撫でた。