「乗れっ。」 「イヤだってば!」 助手席側で言い争うあたしと横山。 「見たんだろ…?」 「何を?」 「書類の一番上にあった紙…。」 「見たわよ!」 いきなり黙る横山をあたしはジッと見詰めた。 「車で話そう。」 「ここでいいじゃん!」 あたしの腕を離さない横山は、ギュッと力を入れてあたしを引き寄せる。