私と航は 並んで歩いていた。 線路と道路に挟まれた 狭い歩道を 二人で寄り添って歩いてた。 それは夜10時頃。 車の騒音に押し潰されそうになりながら 私たちは俯き加減で歩く。 いつもなら 車の音にも負けないほど 大きな声で話をするけれど その日は沈黙だった。 私も、航も。