「……大丈夫?」

「……ん。平気…」


雛は安心したのか、涙を流した。


……でも、その涙を拭いてやることは出来ない。

…俺は兄なのだから。



泣き続ける雛の頭を、くしゃくしゃと撫でた。


「あー!!ちょっと!!髪ぼさぼさじゃん!!」

そう言って笑ってみせる雛に少し安堵した。


……よかった。

少し元気になってくれた…。

これが、俺の出来る精一杯だ。