**昼休み**

「~っくぁ~!!」

唯がグーッッと背中を伸ばす。
テストも無事終わり、私達はお昼を食べていた。


「雀っ!さっき先生と何があった?」

「べ、別に…何も」

私の嘘を見透かした唯はにぃっと憎たらしい笑顔で
「恋しちゃった?」
と一言。

あまりに唐突だったから、私の顔はトマトみたいに真っ赤になった。


そういえば…
鰯、あんな事言ってたけど…
【俺も、お前見てたぞ】
なんて…っ!!

うわっ!!
なんか嬉しくなってきた!


あまりに私は喜びすぎた。そこにいた人の存在に気が付かなかった。



翔汰がいた。



「何?雀って好きな人いんの?」


顔が真っ赤だった私は、勘違いされたくない一心で

「い、いないよ!」


と言ってしまった。


ここから全てが始まった。



後で翔汰を傷つけるなんて、この時は思ってもみなかった。