教室に入ると、唯が何やら怪しい笑顔。
「雀!今日…朝…誰と登校したの…かな?」
…どきぃい!!
なんで…知ってるの。
見てたな。この娘。
「い…鰯先生」
がくっとうなだれながら低い声で言う。
この女の観察力には完敗だわ…
また弄られるんだろうな…
「…ふっ!詳しく教えて頂こうか。すーずーめーちゃん!」
私はため息をついた。
「好きじゃない。」
第一声で決まると考えた私は、唯に向かって真面目な顔で答える。
「…じゃあなんで一緒に「たまたま道が同じだったの。」
唯に話す隙を与えたらおしまいだ。
…諦めたのか、唯がため息を吐いた。
「わーかったって。そんな仏頂面しなさんな。」
唯は手鏡を私に渡す。
それを見た私は愕然とした。
……顔が
………真っ赤!!
けらけら笑う唯をキッと睨み、トイレへ走る私。
嘘嘘!なにあれ~!?
唯の奴…騙しやがった!!
なんで!?翔太のときはドキドキするけど、あんな真っ赤になったことないし…!!
トイレで1人、涙目になった…。
