「…ただいま。」


玄関を開ければ、きれいに揃えられたローファーが一足。

それを見て安心する。



…あれ。

いつもなら、走って出てくんのに。



気付いてねぇのか?




俺はそのまま家の中へと進む。



リビングへの扉を開けると、いい香りが立ちこめる。



なんだ、夕飯作ってくれてんのか?



と、思ったけど、

キッチンには誰も立っていない。