スーツを着た王子様



「まぁいっか。

私は中野深雪。
よろしくね?桃ちゃん。」


目の前に差し出された手。



完全に真っ白になった私の頭。


力なく握手をする。



「ところで創平まだ帰ってないわよね?」


「…あ…たぶん。」


「ふ〜ん、そか。

じゃあ待ってようかな?」





…え?

なんで合鍵持ってるの?


中野さんは、鞄から鍵を取り出して
結城さんの家へ入って行く。



「桃ちゃんも待ってるの?」



にこっと笑って問い掛けてくる。


「わ、私は帰ります…!」



そう言って走って立ち去った。