ヤンキーと俺と恋と



「…高校のテストって一気に難しくなんのな」

「なに言ってんだ歩人!そんなの俺だってズタボロさ!」

「…そうなの?」

「テストの点が良いとか悪いとか…そんなのは問題じゃねえんだよ。要は自分の力をどれだけ発揮できたか、どれだけベストを尽くせたかが重要なんだよ…」



葉が宙を仰ぎ見ながらしみじみと言う。



「……いや、テストは点数が全てだろよ」

「ですよねー!!」



やっぱコイツはバカだ。

俺は改めて再認識する。



「…でもまぁ、気は楽になったよ。確かに落ち込んでも仕方ないしな」

「そうそう!上げてこうぜテンション!ヤッホイ!」



アホ面で踊る葉だったが、その踊りをピタリと止め、俺の方に振り返った。



「そういやさ、ちょっと断っておく事があんだけど」

「なんだ?」