「……なんだな。よって…………なんだな。こらそこ!静かにするんだな。…で、……………なんだな」
なんだな先生の言葉を右から左へ聞き流す。どうもこの先生の話は真面目に聞く気が起きない。
まぁ俺にとってそれはどの先生でも同じだが。
「……なんだな。よし、今日の連絡事項はこれで終わりなんだな。これにて解散!…なんだな」
先生の言葉を合図に、はじけるようにみんな解散しだす。
俺もみんなと同じように自分のバックに教科書を詰め、肩に担いだ。
「歩人っ!部活見にいかね?」
葉が机に寄り掛かりながら聞いてくる。
「いかね。俺部活入る気ないし」
「なんでだよ〜。中学ん時は一緒に部活で汗を流したじゃねぇか」
「流してねぇ。俺は放送部でした」
「…ちぇ、わかったよ。じゃあまた明日な!」
葉はそう言って教室を出ていった。
アイツは根っからのスポーツマンで中学時代もサッカーに打ち込んでいた。
俺は放送部の一員として、校内に美声を轟かせていただけだ。
…まぁ基本幽霊部員だったが。

