「なにが? じゃねぇよ!なんでこんな昭和のヤンキーみたいなカッコしなきゃなんねぇんだ!」
「まぁまぁいいじゃねーか歩人!なかなかカッコイイぜこれ」
「なんでお前はそんなに悠長なんだよ!どこがいいんだコレの!」
「とりあえず落ち着けやお前ら」
ギャーギャーと言い合いをしていた俺と葉を冴島が制す。
「なにが不満なんだよ歩人?」
冴島がそれこそ不満そうに俺に聞いてきた。
「なにが?理由がいるかよこのカッコに!」
「お前は分かってねぇなぁ歩人!」
横から葉が口を出してくる。
「龍はなぁ、旧き良き時代を重んじてるんだよ。お前昔のヤンキーの映画とか見た事ねぇだろ?あの時代の正装なんだよ!これは正に!多分!」
お前はなぜに冴島の肩を持つ?
多分!って自信ないのかよ。
「……!」
ふと横を見ると、感動に打ち震えている冴島がいた。
「葉!!お前は分かってんなぁ!お前の心意気マジで最高だぜ!」
そういうと二人はヒシと涙を流しながら抱き合っていた。
…こいつら気が合うのかね。
なんか名前で呼び合ってるし。
いつの間にかかなりフレンドリーな関係になってるよ。
「…それより、今日作戦実行するんだろ?茶番はそれくらいにしとけよ」
「「なにが茶番だ!!」」

