「…なにがだよ?」
「だってさ、ホラ、愛美ちゃんて冴島に好かれてんじゃん。知られたらいろいろマズいんでねーの?朝起こしてもらって登校してるとか…」
…朝一緒に登校してる所を冴島が知らない訳ないだろ。それを理由に呼び出されたくらいだからな。
それはもう冴島に説明済みだ。家が近くで登校が一緒になるってな。
冴島は渋々ながらそれはわかってくれた。
流石に起こしてもらってる事までは言えなかったが…
「…うん、まぁ、マズい事になるかもな」
葉がハァと一つため息をつく。
なにやら呆れ顔だ。
「なんでそんなに悠長に構えてんだよ。まぁ深くは言わねぇけど気ぃつけろよ?愛美ちゃんの事を想ってんならまだしも…」
「はぁ?想う?それどーゆう……」
「大変だぁぁあぁぁあ!!!」
俺と葉はビクッとして声のした方を振り向く。
クラスの皆も、肩で息をしているが、顔は真っ青に染めているその男子生徒を、驚いた表情で見ていた。
「ハァ…ハァ…大変だ!」
「…なにが大変なんだよ田中?」
クラスの一人がその男子生徒に問い掛ける。
「…さ…冴島の…停学が解けた!!」

