「う、うわぁぁぁ!!さ、冴島だぁぁぁ!!!」
「ヒィィィィ!!!」
「た、隊長っ!隊長ぉぉぉ!!」
見苦しい程に取り乱すファンクラブの男共。
そんな調子じゃ愛美を護衛するなんて最初から無理なんじゃないか?ってくらいだ。
「ハチマキィィィ!!」
…コイツはコイツでおかしいし。
冴島はハチマキを連呼しながら男共を追いかけ回す。
集まっていた男共は散り散りに逃げていった。
「ハチマキィィィ!!」
もう誰もいなくなったその場でグルグルと狂ったように走り回る冴島。
…さすがに止めないとマズイか。
「おーい」
「ハチマキィィィ!!」
「もう誰もいないぞ」
「ハチマキィィィ!!」
ガシッ!
走り回る冴島の肩を掴む。
「チマキッ!?」
「大丈夫かよ?もう奴ら逃げてったぞ」
そういうと、やっと冴島は我に還った。
「ハッ!!…俺は一体何を…」
意識なかったのかコイツ!
「ハチマキハチマキ言いながら男共を追っかけ回してたぞ」
「ハッ!ハチマキ!やろぉぉ!!ハチマキィィィ!!」
「もういいっつの」
再び狂い始めた冴島を抑える。
はぁ…かったりぃ…

