「──おーーい」
後ろから声。龍だ。
振り返ると龍が手を上げてこちらに走って近付いて来ていた。
「…フゥ…オス歩人!…ん?何で愛美ちゃんが…」
到着した龍は俺の横にいた愛美を不思議そうに見る。
そして龍の視線は俺達の手の方へ。
「まさか…付き合えたのか!?マジかよ!よかったなぁ~歩人!」
俺と愛美が付き合った事は、龍にしたら複雑だろうな、と思っていたが…
なんだ、案外カルいな。
それよりも気になるのは、龍の息切れ。
「ありがとう。それよりどうしたんだ?そんな急いで…」
「あぁ!聞いてくれよ歩人!俺さっき運命の人に会ったんだ!」
また『運命の』かい。
…まぁ切り替えが早いのは俺としても助かるけど。