ヤンキーと俺と恋と


──…イトコであるか、そうでないか。

そんな問題を抱えて。

それに悩まされ、前に進めなくなる。


…でも、気付く日がきっと来る。

『それを気にしているのは当人達だけ』


相手を好きになる。

その前では、イトコである事は、ホントに些細な事なのかも。


…その証拠に──



「──…恥ずかしいよ~」

「バカ!この恥ずかしさを乗り越えた時、俺達は堂々とカップルと名乗れるのだ!」

「…なにそれ」



俺の右手は愛美の左手と繋がれていた。

しっかり繋がれた手と手。
俺達は一つになった。
イトコ同士の空気は恋人同士の空気に変わったんだ。

愛美の照れた横顔が、何とも愛おしく感じた。