しんと静まり返る空間。
遠くの方で聞こえる子供達の無邪気な声だけが響く。
頭を下げる俺。
一体どのくらいそうしていただろうか。
その空間に、静かな声が聞こえた。
「──…ヒック……グスッ…」
…泣き声?
俺は慌てて顔を上げて、愛美を見た。
「ごっ、ごめん!泣かせるような事だったか?」
両手で目を擦っていた愛美だったが、返答は早かった。
「ううん、違うの…」
愛美は否定しつつ、目から手を放す。
「…あたし、このままじゃいけないって…歩人の言う通り、自分だけで解決してた…」
顔を上げて、物思いに空を見つめる愛美。目の周辺が赤かった。

