ヤンキーと俺と恋と



「──つまり、俺が愛美を想う気持ちは深い。俺達が共に過ごしてきた時間の分、な」



俺が愛美を想う気持ち。その深さを、言葉にしてぶつける。

不安定だった愛美の主張。

俺が…俺が新たに立て直す。…俺の言葉…主張で!



「愛美がずっと悩んできて、そういう結論に達した理由はわかる。だけど、俺には納得できねぇ。一人で…一人で解決しないでくれ」



黙って俯いたままの愛美。

その姿が、妙に綺麗で…美麗で…今の状況を忘れそうになる。

だが、それにより思い付く、言葉達。



「──…俺達はイトコ同士。だから伝わる事もあるけど…一定のラインからは"限界"が引いてある」


イトコとしてでしか、成り立たない関係。
イトコとしてじゃ、辿り着けない関係。
相互の関係に挟まれた状態だった俺。