…だが、その中にも手応えを感じるような、愛美の沈痛な面持ちがそこにあった。
「…確かに、俺は校長室に愛美が飛び込んできて…四人で遊びに行って…やっとそこで愛美への想いに気付けたってくらい、鈍感だ」
本当、自分の鈍感さには嫌気が差す。
昔、恋愛シミュレーションゲームをして、鈍感な主人公を見て『やっぱゲームだな』と思った事を思い出す。
…案外ゲームってのは現実の世界を忠実に再現してるだけなのかも。
「…でも、自分の気持ちに気付くのが遅かったから、って、それで全部白紙になるのか?」
強い眼差しが、愛美へと向く。
愛美はそれに答える事が出来ず、俯いたまま沈黙を続ける。
「イトコ同士は無理だろうって、そんな『多分、おそらく』に従えってのか?」
それは予測だろう。
世間の予測。それに基づく愛美の予測。
「無理だな。…俺が愛美を想う気持ちは、一朝一夕じゃねぇんだ」
そこで、俺の記憶は過去に戻った。

