──そんな中、愛美は龍に言い寄られ…
相手が自分を恋愛対象として見ていない、とわかっている状況なら…。
…俺なら、どうするだろう。
考えてると、空気が止まった。その時の愛美の大きな息を吸い込む音だけが、妙にはっきり聞こえる。
「──…それで、やめたの。…歩人を好きでいる事」
ガン!!と頭をハンマーで殴られたような衝撃を感じた。
"やめた"…?
俺に対する好意を…全部捨てた…って事か…?
「…そんな時、あの抗争があって。あたしが囚われて、歩人と冴島くんが来てくれて…歩人は血だらけになりながらも、あたしを助けようとしてくれて…」
そうだそうだ…。あれは愛美にとって大きな出来事で、おそらく心境にも変化が訪れたハズ…。
愛美の口にした事は、真実じゃなかった。
…そんな淡い期待を、俺は抱いていた。

