「じゃ、じゃあ…あたしはこれで…」
そういって愛美は足早に立ち去り、その場には灰と化した冴島だけが取り残されていた。
周りで様子を見ていた生徒も、バラバラと散開していく。
しばらくその様子を見ていた俺だが、生徒の姿がまばらになり始めたので、今だ灰のままの冴島に近寄って行った。そのまま帰るのはさすがに気が引けたからだ。
「…おーい。大丈夫かー?」
「……」
返事無し。
冴島の目は遥か遠方を見つめて、黄昏れていた。虚ろ、ともいう。
「…あのー」
「……」
「おーい」
「……」
「…ダメだこりゃ」
今は何話しかけても聞こえないと思い、俺は冴島をほっといて帰る事にした。
カラスの泣き声が、妙に今の冴島とマッチしていた……
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…と、冴島は結局フラれた訳だ。
当たり前だよ。あんないきなり告白とか…知り合ってもないのによ。
俺は一つため息をはき、もう一度愛美を見た。
…愛美は俺がその場にいたなんて思ってもいないだろうな。
また、愛美が俺の視線に気付いたのか、こちらに顔を向けてくる。
俺はまた咄嗟に前に向き直るのだった。

