「高校で会えたのは本当に偶然だった。だがその偶然は俺にとっちゃ必然に思えた。俺はこの人と結ばれてるんだって、本気でそう思った」
校門前で待ち伏せしてた龍を思い出す。その時の龍の期待感が、今の話で伝わってきた。
「何回も告白して、その度にフラれて…でも諦めるって選択肢は俺の中に初めからなかった。俺と愛美ちゃんとの間には、運命の糸があるって…愛美ちゃんはいつかそれに気付くはずだって、そう信じてたからな」
確かに、龍は後退のネジを外してあるかのように、諦める気配が微塵も感じられなかった。
その理由には、そういったバックグラウンドがあった事を初めて知った。
「──…だが、俺の糸はどうやら恋じゃなくて、別のヤツに繋がってたらしい」

