だが、即座にその妄想を打ち消す。ダメだ。逃げるな、俺。
今日、伝えなくちゃ。龍は今から告白する。龍が告白して、それが今までとは違い、もし成功したら、俺は絶対後悔する。後悔しながら、本当に言いたい事を隠しながら、龍と過ごしていく…。龍の前で自分を偽りながら、生きていく──
──そんなのは、無理だ。
だから…今、言おう。
「早く言えよ!愛美ちゃん、家に帰っちまう!今日の告白はなぁ夏休みをバラ色に過ごすための──」
「──みが…好きなんだ」
止まる空気。
俺の発した言葉がよく聞き取れなかったのか、龍は目をしばたたかせた。
「…は?なんだって?」
ゴクリ、と唾を飲み込み、俺はもう一度、言った。
「…俺も、好きなんだ。愛美の事が」

