ヤンキーと俺と恋と




「…でも、できなかった。すぐに体を引っ込めちまった。どうしても声をかけられねぇ。いつもみたいに声かけて告白、ができなかったんだよ」



告白が習慣化すると、する側に"慣れ"が出てくる。告白は凄い緊張するものだが、何回もするにつれ、それが薄まっていくんだろう。…あまりいい慣れとは言えない。

…それが、できなかった。その理由は、遊園地での事が大きく絡んできてるのだろうと思った。



「で、売店に向かう愛美ちゃんになんとか声かけたかったんだけど、足が震えて止まっちまって、全然言う事聞かねぇんだ」



毎回の告白なのに、今回は躊躇した。

…それは…おそらく…



「結局、売店から教室に戻るまでも、俺は様子を見てただけだった。それしかできなかったんよ」



…自分でもなんとなくわかるからだ。

今までにない緊張感が、告白の障害になってる。

今回は成功するんじゃないか?という期待が、少なからずあるんだ。


…龍が告白できなかった理由。

それは、変な形のサイコロがいくつも積み重なっていて、その上に今まで積み上げてきた歪な形のものとは全く違う、成功の確率が格段に上がった、正方形のものを乗せる。そんな状況。

…障害となっているのは、成功するかも知れない確率が高いから、それが恐い事ではないだろうか。