「…どうだったんだ?」
風の強さに、少し顔をしかめている龍にそう尋ねた。
「あ?」
「…告白」
「だから告れなかったんだって。言ったろ」
いや、そうじゃないんだ。
言葉が足りてなかった事に気付き、謝る。
「ごめん、聞き方が悪かった。俺が聞きたいのはその内容だよ」
「あぁ…」
龍は得心の顔を見せたが、瞬間にその顔が思い出したように歪んだ。
「…昼休み入ったらソッコー愛美ちゃんのとこに向かったよ。もう内心バクバクだったな」
その時の龍の心境が思い描かれる。
「で、すぐ愛美ちゃん見つけたわけよ。まだ自分の席でユキちゃんと話してた」
緊張が高まったろう。龍のその時の気持ちが自分にも伝わったように、少し胸が高鳴った。
「話しながら出入り口に向かって来たんで、俺はいつものように愛美ちゃんだけ呼び出そうと思ったんだ」
これまでの龍も、昼休みに個人的に呼び出して告白する、というケースが多かった。もちろん放課後の場合もあった。
とにかく様々な告白をしてきた訳だ。

